第71代 理事長

第71代理事長 松野洋平

松野 洋平
一般社団法人高山青年会議所

2026年度 スローガン

Glocal Spirits!

理事長所信

【はじめに】

『このまちもいずれ消えてしまうのだろうか。私はこれほど美しい町並みを日本の中に見たことがない』。これは今から 70 年前、昭和を代表する映画監督の一人、木下恵介氏が当時の高山を見て残した言葉です。まだ「飛騨高山」の名が世界はおろか、国内からも認知されていない時代の話です。

それから 70 年の時が経ち、高山のまちはどうなったのでしょうか。現在の高山は、国内はもちろん世界から多くの人々が訪れる国際観光都市となりました。これは先人たちがこのまちの財産に目を向け、後世に残していこうという強い想いをもって行動した結果であると考えます。

まさに同じ頃、高山青年会議所もこの地で産声を上げました。それ以来、先輩方のたゆまぬ運動のおかげで、今日の高山青年会議所があります。71 年目を迎える今、私たちもその火を絶やすことなく、高山そして高山青年会議所の次なるステップのために一歩を踏み出さなければなりません。

「唯一変わらないのは、変化そのものである」の格言が示す通り、我々はその若さと柔軟な発想で活動を続けていくことが求められています。現代社会は急速なスピードで変化を続け、あらゆる価値観や考え方も変化しています。先行きが見通せない時代と言われて久しい昨今ですが、運動を続け、愛する高山のために好影響をもたらし続けることは、青年経済人として今を生きる私たちの責任です。

本年度、そのような 71 年目の高山青年会議所の理事長という職をお預かりするにあたり、「GlocalSpirit(s グローカルスピリッツ)」をスローガンに掲げ一年間邁進してまいります。

【外を知り内に活かすグローカルという考え】

「グローカル」という言葉は、「グローバル」と「ローカル」を組み合わせた造語で、地域に根ざしながらも広い視野を持つことを意味します。一見すると相反するように思えるこの二つの概念ですが、実は相互に影響し合う関係にあり、それが共通点でもあります。この「グローカル」の考え方は、今後の青年会議所活動においても非常に重要です。なぜなら、私たちは常に学びを深め、地域をより豊かにするために活動を続ける JAYCEE だからです。

まちをより良くするためには、地域を愛し、大切に思う気持ちが欠かせません。しかし、それだけでは十分ではありません。広い視野を持つことも同様に重要です。グローバルな視点は、社会が直面する多様な課題を解決するために不可欠です。そこにローカルな視点が加わることで、それぞれの地域に合った最適な解決策を見出せるのです。

地域の特性や文化を守りながら、世界とつながることで新たな価値が生まれます。このバランスこそが、青年会議所活動においても大切な視点であり、私たちが目指す「明るい豊かなまちづくり」に不可欠な要素であると考えます。

高山で生まれ育った私は、進学と同時に一度この町を離れました。大学卒業後、旅行会社に就職し、世界各国を訪れる機会に恵まれました。その後、家業を継ぐために高山へ戻ると、高山はすでに多くの外国人が訪れるまちとなっていました。そこで役立ったのが、これまで培ってきた経験です。

さまざまな国や地域の風景や人々の暮らし、文化を知ることで、相手を一方的に拒絶するのではなく、相手のことを受け入れ、理解することができるようになりました。また、物事を多角的に捉え、異なる視点からアプローチする力も養われました。

これは、私の「グローバルな経験」が「ローカルな場」で生きた一例です。「グローバルな経験」は、海外にいなくても手にすることができると考えていますし、現在の高山には、この地に居ながらにして世界とつながることができる環境があります。この状況を利用しない手はありません。

皆でグローカルスピリッツを養い、明るい豊かな高山の実現につなげましょう!

【私たちは山も水も美しい飛騨高山の市民です】

高山市民憲章の一部でもあるこのフレーズを、私たちも活動の折に口にしています。ご存じの通り、高山市はその面積の 9 割以上が山林に覆われ、豊かな自然に囲まれており、多くの市民も「高山の自然」を誇りに思っています。しかしながら、私たちは高山の多様な自然環境の価値を最大限認識できているでしょうか。あまりにも自然が身近過ぎるがゆえに、その価値に気づかないままとなってはいないでしょうか。

そこで今年度は、歴史文化と並ぶ高山の財産でありアイデンティティでもある自然環境にスポットを当て、その価値を再認識・再発見できるような運動を展開いたします。その運動が、結果としてかけがえのない高山の自然の尊さを再認識する機会となり、高山市民の自然環境に対する意識の変化にもつながります。

「自分たちは山も水も美しい飛騨高山の市民である」と心から言える高山市民を一人でも多く増やしましょう。

【高山 JC が国際都市高山の今後のみちしるべとなる】

人口わずか 8 万人あまりの高山市ですが、今や年間 75 万人以上もの外国人観光客が訪れる人気の目的地となっており、在住の外国人も年々増加していることから、「国際観光都市」としての一面を持ち合わせています。しかし、増加する外国人に対してすべての市民がプラスのイメージを持っているわけではありません。こうした状況を踏まえ今年度は、観光客、在住の方を問わず、「外国人」に対する理解を深め、まちに浸透させていく運動を展開することで、国際観光都市高山の持続的な発展につなげてまいります。昨年度より醸成されてきたメンバーの国際的な意識をさらに深化させ、自分たちが今後の高山の国際化を先導していくのだ、という気備も高めてまいります。

【海の向こうの JAYCEE たち】

私が青年会議所に入会した際、「JC は世界的な組織であり、世界中に同志がいる」という話を先輩方から聞き、大変心強い気持ちになったのを覚えています。しかしながら普段の青年会議所活動においては、なかなか世界の青年会議所メンバーと接する機会がありません。そこで、同じ志を持ち、海の向こうで活動する会員たちの活動を理解できる機会を設けることで、会員の視野を広げ、その後の JC 活動に対するヒントを提供します。

【JC 生活の礎はこの一年にあり】

青年会議所には、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが集まっており、その関わり方も人それぞれです。しかし、自分なりの「JC 運動を行う意義や想い」があるかどうかで、この JC 生活が意味を持つかどうかが大きく左右されます。そして、その想いの芽生えは、新入会員時代の過ごし方によっても大きく変わります。

私が入会した初年度に配属されたアカデミー委員長からは「まずは参加してみることで、自分なりの楽しさや活動の意義を見出せる」と教わりました。右も左もわからない新入会員時代の私にとって、まずは積極的に参加をして JC 活動を楽しみ、学びながら過ごせたことは、その後の活動に対する大きなモチベーションとなりました。

今年度の新入会員にも、まずは様々な事業に積極的に参加し楽しむこと、仲間と共に事業を成し遂げる喜びを実感していただきます。同時に青年会議所運動について、そして自身の成長につながる学びも多く得ていただきたいと考えています。新入会員時代に実際に得た体験は、自分の中に深く根づき、やがて新たな仲間と接する際にも、その熱意をもって向き合う原動力となると確信しています。

【70 周年の軌跡を次世代に】

昨年度、高山青年会議所は創立 70 周年を迎え、様々な周年関連事業を行いました。周年の年には、過去の軌跡を振り返る機会はよくありますが、まさにその年に行った周年事業に際して、議案という形で残すことはあっても、より視覚的かつ詳細な経緯を伴った記録をまとめたものはなかなか残っていないのが現状です。今回、70 周年に関する事柄を丁寧に記録し残すことで、未来の周年事業を担う後輩たちへの一助となるだけでなく、周年に関わったすべての人たちの記憶にも残るよう、取り組んでまいります。

【進化し続ける組織運営】

青年会議所運動の根幹となる「明るい豊かなまちの実現」は私たちのゆるぎない信念です。しかしながらそれを達成するための根っこの部分である組織運営に関しても、「これでよい」というものはありません。青年として持ちうるアンテナの高さと状況判断力で、常に進化を続ける組織運営を行った先に、明るい豊かなまちの実現があります。変化を受け入れ、成果を変えず、の精神で組織運営を行います。

【広報は最大の武器である】

私たち高山青年会議所が日々行っている活動を広く世の中に波及させるための手段として、広報活動は非常に重要な位置をしめています。青年会議所活動のみならず、日々の経済活動やあらゆるエンターテインメントにおいても、広報が事業成功の鍵を握っていることはいうまでもありません。本年度、インターネットや SNS といった媒体を活用した広報活動を積極的に行うことで、青年会議所活動の効果をより高めていきます。

【JC だからこそできること】

2026 年、高山市では市長選挙が行われる予定であり、高山青年会議所は過去にも公開討論会を行った実績があります。高山がより良くなるための選択の機会に有益な情報を提供することは、青年会議所が掲げる「明るい豊かなまち」の実現にも通じております。青年会議所は政治的に中立であり、いかなる政治的団体からも干渉を受けることはありません。この独自の立場を活かし、状況に応じて、中立的な立場から多くの方に情報を提供できる機会を設けます。

【おわりに】

我々の先輩方の時代から、唯一変わらないことがあります。それは「現役としての青年会議所活動には終わりがある」ということです。青年会議所で活動できる期間は 20 歳から 40歳までと決まっています。人生の中で最も気力、体力を高く保てる時期、すなわち「明るい豊かなまち」の実現に一番推進力をもって活動できるからこそだと考えています。もちろん、会社や家族、地域社会の中でも、重要な期間と言えるでしょう。私たちは、そのかけがえのない期間を過ごすうちの一つとして、青年会議所を選び、仲間とともに運動を行っています。せっかく同じ時間を過ごすなら、どうせやるのなら、最大限に JC を生かし、最大限に楽しみ、最大限に愛する高山のために使おうではありませんか。

私たちが行っている運動は、時には小さな変化かもしれませんが、やがて大きな波となり、地域の未来を動かす力となります。メンバー一人ひとりの視野がより広がり、そのうえで地域に根ざした運動を絶えず行っていくことで、結果として高山青年会議所、そして高山市のさらなる発展につながる一年となるよう、邁進してまいります。

This year, we will raise "Glocal Spirits!" as a slogan. It means that I hope all members will have a global perspective and contribute to local development of Takayama city.

Under this slogan, this year we will establish committee of "Nature of Takayama", "International Relationship", "Training of new member" "Compilation of the 70th anniversary record" and "General Affairs and Public Relations". I hope that all members will grow "Glocal" perspective, and Takayama Junior Chamber International and also Takayama City will develop together.

71st President of Takayama JCI
Yohei Matsuno